アンチ・サージコントロールって知ってる?
みなさん、アンチ・サージコントロールって知ってる?
聞きなれない言葉ですね。スタッフの私(デザイン業w)も知りません(恥!)
今回のEMtronのECUセッティング時に兼ねてから取り組んでいた「アンチ・サージコントロール」をやっと実写テストできたのでそのレポートを抜粋します。
文章が長文になりそうなので、初めて吹き出し風の記事にしてみました。。笑
『簡単に説明すると、懐かしいターボのブローオフバルブ。昔500玉でかさ上げチューンしていたあれよ(笑)』
言わばスプリングで圧力を逃がしていたブローオフを要は電子ブローオフバルブ化したのがこのアンチ・サージコントロール。圧力の急激な変化を逆制御するものとなります。
元々は、平野が単に最先端技術を知りたい・やってみたいと言う思いだけで着手したようで、時間を作ってはこの半年以上取り組んでいたようです。今回やっと実車に装着テストして、イメージでは80%までは上手く制御出来たかな?って感じだそうです。
『100%に持っていくにはまだまだセンサーを追加しないといけないなぁ。』(独り言)
このアンチ・サージ制御の取り付け方法、必要なセンサーや設定要件、制御プログラム等々、まだまだページに書くには複雑で長文になりそうな気配。
で、どんな機能?
『端的に言うと、小排気量ビッグタービン車両やハイブースト車両には特に効果的。
想像してみてみ?アクセルをパーシャル近辺で踏み直す時のターボラグが凄くて乗りづらいよね。』
・・・ふむふむ。。
『それはアクセルを戻すと負圧が凄くて正圧になるまでの差が激しいから。それをフルコンのEMtronで制御するといつでもすぐ正圧にする。』
ほぉ・・・(汗)
『つまりラグ無しですぐピュンピュンとブーストがかかると言う考え方だねぇ。』
やって見て分かった事は、このアンチサージの可能性はとんでもなかったと平野も脱帽と驚きの連続だったようです。
『アンチラグなんてうるさいだけの子供だまし。燃焼室を傷めるわ、ブレーキが利かなくなるわでやってられない。。通常、ECUセッティングは負荷をかけられるダイノパックでやりたいけど、それを何とか負荷を左足ブレーキで対応。ダイノではアクセルON/OFFのツキや、シフトアップ/ダウンのセッティングが出来ない。』
なので、今回は負荷無しのローラーで行ったのだそうです。
そこで電スロの作動具合を目視しようとスマホで撮影したら、アクセルをオフった瞬間スロットルが開いて凄い風が出てスマホを落としそうになったらしい。(動画あるけど写真)つまり、それだけ急激な圧力がかかるからタービンの速度も落ちると理解できます。
『アクセルオフで逆流する圧力を逃がして、極力負圧を発生させないようにし、タービンの回転を落とさせない。
『だからすぐピュンピュンにブーストがかかることになる。』
『同時にインタークーラーの圧力も逃がすので破裂を防ぐ事にもなるね。』
その一方、後で電スロによるパドルブリッピングのセッティングもめちゃめちゃローラー上でやったけど、シフトダウンがとにかく難しいらしい。
判明した理由が
『この圧力が逃げないからシフトダウンがなかなかスムーズにブリップダウンしてくれない』
『そこで、このアンチサージ機能を入れるとスムーズにすんすんとシフトダウンしてくれるようになる。』
『駆動の抵抗も落とせているんだ~!』
と感心しきりで、『新しい技術を飲み込むのは大変だ!』と汗をかきながら、目からウロコの連続で目が輝きまくり楽しそうな平野でした。
正圧のブースト上昇時の更なる安定化にはもはやブーストソレノイドでは限界だから、
このソレノイドを撤去して今後はすぐに電動ウェットゲートに着手のようです。
完全電動・電脳化に突き進んでいるAPJ平野代表。
まだまだ認知度どころか存在すら殆どの人が興味ない変態ネタですがAPJの将来は明るく楽しい。
平野は、長きに渡りこの動画に出ているEMtronのBenやAdrianにたくさん教えてもらい、助けてもらってこの機能を使えるように。(平野はネイティブに専門用語バリバリで英会話できます。)